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目論見書(もくろみしょ)がサクッと読めちゃう(序)~(3)



~投資信託とお友達になろう~


投資信託の商品は「目論見書」を読まないと買えません。金融商品取引法という法律に定められています。ちょっと難しく感じますが、つまり 商品の説明書である「目論見書」を理解し納得するステップを踏んではじめて購入契約が結べるのです。購入後その価値が下がったとき「詳細を知らなかった」ではすまないからです。高額で値動きする商品の購入は慎重に期するに越したことはありません。


また、投資家(皆さん)から請求されたとき交付されるファンドの沿革や経理状況など追加的な情報が記載された請求目論見書もありますが、ここでは購入時に交付される交付目論見書についてお話しします。


皆さんは金融機関からいただいた「目論見書」を4字熟語のむずかしい書類だからと引き出しやファイルに入れっぱなしにされていませんか?


さあ、「目論見書」に挑戦しましょう!


目論見書とは「この商品(投資信託)はこんな風に運用しますよ」と宣言する書類です。つまり、こんな風を詳しく説明している冊子です。






冊子の中身は上図のような流れの構成が一般です。


まずは「表紙」です。実は1ページ目の「表紙」で商品のだいたいがわかります。


~表紙の上部~


これは「まかせんねインデックスファンド」(架空)の目論見書の第1ページ「表紙」です。見やすいように表紙を上部と下部に分けて説明します。これは上の部分です。


  タイトル

表紙は住宅でいえば外見です。お客様が訪ねたくなる家を目指すべく少々派手に作成されています。いかがですか?手に取って読みたくなりますね。
右上に使用開始日です。この日から目論見書の効力が発生し、この内容で募集を開始します。 中央にファンド名、なかには覚えやすい愛称が大きく記載されているファンドもあります。
「ご購入に際しては本書の内容を十分にお読みください」の一文は金融商品取引法をさりげなく順守しています。
表紙はこのファンドが「だれが」「どこの」「何に」「どのように」投資をするのかが大まかに掲載されています。
「商品分類」にその「どこの」「何に」の部分があります。


  商品分類

この表から投資収益が国内、海外の株式を源泉とすることがわかります。他には「海外」(日本以外の海外の国々に投資する)、「国内」(日本国内のみに投資する)と記載されたファンドもあります。なお、投資対象資産(収益の源泉)の「株式」以外には、「債券」「不動産投信(REIT)」「その他資産(商品いわゆる金・原油などや先物取引)」「資産複合(株式、債券、不動産、その他資産の組み合わせ)」等があります。
このファンドは「追加型」です。原則、運用中はいつでも時価の基準価額で購入できます。 「単位型」とは決められた募集期間でしか購入できないファンドです。 右端のインデックス型とは、もう皆さんはご存じですね。各種の指数に連動して運用成果を目指します。他には「特殊型(特殊な仕組みや手法で運用する)」や補足分類欄がないファンドもあります。 (インデックス型の詳細はビデオセミナー「第二章 投資信託ってなに?」をご視聴ください)
さらに細かく説明しているのがそのお隣の「属性区分」です。


  属性区分


左から順に確認しましょう。
(1) 投資対象資産
ファンドに預けたお金が何に投資されるのかが記載されています。「株式一般」や「債券一般」と記載されますが、最近はこのファンドの様に「その他資産」と表記されていることが多いようです。「その他資産」とは直接に株式や債券に投資しないことを意味しています。別のファンドを介して間接的に株式や債券に投資します。どんな形式を使うのかは後述の (4)「投資形態」に説明されています。


(2)決算頻度
保有している資産や負債を計算して財務状況を明らかにする決算の回数を表しています。場合によっては、分配金として投資家に配分されることもあります。このファンドは年に一回の決算を行います。


(3)投資対象地域
投資先の地域、たとえば「北米」「アジア」とか具体的な地域が記載されます。「エマージング」とあれば中東や東南アジアなどの新興国全般が対象となります。このファンドは「グローバル」と記載されているので、日本を含む世界中の国々が対象です。


(4)投資形態
直接に株式や債券に投資しない「その他資産」(前述の投資対象資産に記載)の場合はこの欄に「ファミリーファンド」または「ファンド・オブ・ファンズ」と記載されます。投資信託に集められたお金を別の投資信託を介して、間接的に株式や債券に投資する形をとります。
「ファミリーファンド」とは複数の投資信託(ベビーファンド)の資金をまとめて、一つの投資信託(マザーファンド)に投資し、そのマザーファンドが直接に株式や債券等に投資する運用方式です。したがって、マザーファンドの運用資金はかなり大きな規模になるので効率よく運用ができ、またベビーファンドとマザーファンドは同じ運用会社なので、全体像が把握しやすく、手数料もベビーファンドだけに発生することになります。
「ファンド・オブ・ファンズ」とは複数の投資信託に分散して投資する運用方式です。安定的な運用成果が得やすい反面、複数の別な運用会社のファンドに投資するため、手数料が割高で、運用実態がわかりにくいデメリットがあります。
このファンドは前者の「ファミリーファンド」です。


(5)為替ヘッジ
海外の株式や債券に投資する場合、通常はその国の通貨で投資することになります。運用中に円高になれると損をし、円安になると利益が上乗せされます。このような為替変動の影響を受けないようにするのが「為替ヘッジ」です。将来交換する為替レートをあらかじめ予約する取引(為替先物予約)をすることで、「あり」は影響を受けないようにします。当然に手数料がかかります。
また「なし」の場合は株式や債券の運用成績だけでなく、為替の影響で投資信託の価格が上下することになります。このファンドは「なし」の為 為替変動の影響を受けることになります。


(6)対象インデックス
インデックスファンドの場合、どのような指数に連動するかが記載されています。 このファンドは「島っ子」(架空)という指数に連動します。


このように、表紙の上部で投資信託(ファンド)の概要を理解することができます。


~表紙下部~



皆様はもうご存知と思いますが、 投資信託は(ファンド)は3つの金融機関の会社が関わっています。 表紙の下部では会社名を明らかにしています。「販売会社」 「運用(委託)会社」「信託(受託)会社」です。 下の図は投資信託の仕組みを表したものです。



この図を参考に投資信託の仕組みをおさらいしましょう。


  販売会社とは

投資信託(ファンド)という商品を販売し、多くの投資家からお金を集め、「運用会社」に移します。 一般に証券会社、銀行が販売会社です。この目論見書を頂き、契約後、実際にお客様とお金の授受をする会社です。 ただし、この表紙の下部には記載されていません。


  運用会社とは

「販売会社」が集めたお金を「信託会社」に預け、実際の運用を「信託会社」に指図します。 ファンドマネージャーが在籍している会社です。
表紙の下部で①△△株式会社と記載されています。


  信託会社とは

「運用会社」からお金を預かり「運用会社」の指示で実際に商品の売買を行います。お客様の資産は別勘定扱いにされ安全に保管されいます。
表紙の下部で⑥○○○○株式会社と記載されています。



運用中の情報はきちんとそれぞれに報告されるので資金の流れや運用実績を公正に把握が可能です。 表紙の下部にはそのなかの2つの会社名「運用(委託)会社」「信託(受託)会社」が掲載されています。
また、中には運用会社が直接に投資家へ販売する投資信託もあります。
投資信託の資産はあくまでも投資家のもので、3つの会社が破綻しても、お金は信託会社が別勘定で管理しているので、安全に守られています。




~①目的と特色~


いよいよ第1ページに入ります。


  ファンドの目的

投資信託の運用方針やプロセスなどの情報が記載されています。 つまり、どんな資産に投資をして、どのような成果を目指しているかを明らかにしています。


  ファンドの特色

主要投資対象の資産は何か、そして投資方針については項目別に説明をしています。 運用の本筋です。注意深くチェックをしましょう。


・ファンドの仕組み

前回も説明をしましたが、 表紙の上部において属性区分(投資形態)その他の資産項目で「ファミリーファンド方式」 または「ファンドオブファンド方式」と記載された場合はここで図式を使ってさらに詳しく説明しています。 少々複雑な図で分かりにくいかと思い、ここに簡単な大まかな図を用意しました。 目論見書の図と照らし合わせながら、ご参考にしてください。


再度、説明させていただきます。

「ファミリーファンド」とは複数の投資信託(ベビーファンド)の資金をまとめて、一つの投資信託(マザーファンド)に投資し、 そのマザーファンドが株式や債券等に投資する運用方式です。 したがって、マザーファンドの運用資金がかなり大きな規模になるので効率よく運用ができ、 またベビーファンドとマザーファンドの運用会社は同じなので、全体像が把握しやすく、 手数料もベビーファンドだけに発生することになります。



一方、「ファンド・オブ・ファンズ」とは複数の投資信託に分散して投資する運用方式です。 安定的な運用成果が得やすい反面、複数の別な運用会社のファンドに投資するため、手数料が割高で、 運用実態がわかりにくいデメリットがあります。



・運用手法と運用プロセス

インデックスファンドであれば、ベンチマーク(連動する指標)が記載され、 アクティブファンドであればここはまさにセールスアピールをする箇所であるため、 「他のファンドとここが違うよ」と熱く投資哲学を語っています。 しっかりと確認をして判断しましょう。


・投資制限

投資する資産の割合に上限を設けている場合は記載されます。


・分配方針

頻度、決算日などを記載しています。 また、分配しない方針で、全く実施しないファンドもあります。 なお、分配の頻度や金額が少ないファンドのほうが運用効率は高い傾向にあります。



次回は「③実績」を解説します。

続きは新着情報目論見書がサクッと読めちゃう(4)をご覧ください。



楠本智子 CFP®認定者(ファイナンシャル・プランナー)

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